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ご相談内容 : 遺言(年金生活者Eさん)

Eさんには妻と長男(サラリーマン)、次男、長女(結婚)の3人の子がいます。 Eさんはもともと商店を経営していましたが、現在は次男が行っており、Eさんはこのまま次男に承継させようと思っています。 スムーズに承継させるためにはどのような遺言を残しておけば良いでしょうか。 長男、長女にはそれぞれ家を建てるときに資金援助をしています。 資産は株式、店舗兼居住用の土地、建物、銀行預金等があります。

回答

子が何人もいるが、事業を手伝ってくれたのはそのうちの一人(次男)で、他は嫁に行ったり、独立して一戸を構えているという場合は、遺言によって、事業の承継をスムーズに行えるような相続方法を考えておく必要があります。

まず第一に、商店の株式は全株を承継する次男に相続させます。妻や兄弟が株主として一部でもはいってくると、いろいろ干渉することもありえます。
そのことで本人がやる気を失くすこともありえますので、過半数でよいという考えはやめたほうが良いでしょう。

第二に、店舗兼居住用の土地、建物は原則として妻に相続させるという遺言をすることが、妻の老後の安定を確保し、かつ税金の上でも有利となるでしょう。多少妻の取り分が多くても、実の子から母親に対して遺留分減殺の訴訟は起こしにくいものです。

第三に、残った財産は法定相続分で相続せよ、という相続分の指定をしておきます。
これによって、銀行預金が法定相続分で分割されることになります。このことが必要な理由は、妻と次男に、特定の財産の相続をさせるように遺言しましたが、それだけですと、妻と次男の法定相続分がいっぱいになり、残余財産からは何ももらえないことになり、当座の資金にも困るからです。

第四にこのままですと長男や長女の相続分が少なく、不満がもとでトラブルになる可能性もありますので、遺言には、それぞれ家を建てるときに相当の資金援助をしていることを明記しておく必要があります。

 

ご相談内容 : 任意後見人(高齢者Fさん)

Fさんは長年にわたって自己の所有するアパートの管理をしていましたが、軽度の脳梗塞を発症してしまいました。現在は体調もよく十分な判断能力がありますが、今後、判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、何か良い方法があれば教えてください。

回答

認知症、知的障がい、精神障がいなどの理由で判断能力の不十分な方々は、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身の回りの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり、遺産分割の協議をしたりする必要があっても、自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。
又、自分に不利益な契約であっても、よく判断ができずに契約を結んでしまい、悪徳商法の被害にあう恐れもあります。
このような判断能力の不十分な方々を保護し、支援するために成年後見制度というものがあります。

成年後見制度は、大きく分けると、法定後見制度と任意後見制度の2つがあります。
また、法定後見制度は「後見」「保佐」「補助」の3つに分かれており、判断能力の程度など本人の事情に応じて制度を選べるようになっています。

そのなかでも、任意後見制度は、本人が十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人)に、自分の生活、療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約(任意後見契約)を公証人の作成する公正証書で結んでおくというものです。
そうすることで、本人の判断能力が低下した後に、任意後見人が、契約で決めた事務について、家庭裁判所が選任する「任意後見監督人」の監督の下、本人を代理して契約などをすることによって、本人の意思に従った適切な保護、支援をすることが可能になります。
任意後見人は親族が就き、任意後見監督人には行政書士などの法の専門家が就くのが一般的です。

 

ご相談内容 : 離婚協議書(主婦Cさん)

Cさんはかねてより別居中であった夫と協議離婚をすることになりました。 夫との間に就学前の子供がいますが、夫との間でどのような取決めをしておけばよいでしょうか。

回答

離婚のほとんどは協議離婚であり、裁判所が関与することなく、あくまで2人の合意により成立します。
話合いの際に取り決めた約束事が遂行されるかどうか不安があります。
特に、金銭の支払いについて、一括でもらえるならば問題はありませんが、ほとんどの場合は月々の支払という取り決めが多いと思います。
そういった中で時間が経つにつれて、支払が滞ってくる可能性もあります。
こうしたことを防ぐためにも、重要な約束事は必ず文書に残しておくことが大切です。
後々トラブルになったときに証拠になりますし、相手に支払うことに対する動機付けの効果も発生します。

○公正証書の活用

2人で話し合った内容で、金銭の支払のことなど特に大切な取り決めごとは強制執行認諾約款付公正証書にしておけば良いでしょう。
強制執行認諾約款付というのは、「約束の金銭の支払を怠った場合は、直ちに強制執行を受けても構いません」という内容の一文が入っている公式な文書のことをいいます。
この公正証書を作成しておけば、約束の金銭の支払が滞ったり、支払がされない場合、強制的に相手の財産(給料、銀行預金、不動産等)を差し押さえ、債務の弁済に充てる効力があります。また、相手に与える心理的な強制力も大きいものがあります。

○公正証書の作成方法

公正証書は、公証人役場に行き依頼すれば公証人が作成してくれます。
内容については、事前に専門家に相談しておけば安心です。

○その他の方法

相手が強制執行認諾約款付公正証書の作成に合意してくれる場合は良いのですが、もしも拒否された場合は、最低でも念書もしくは協議書という形でも良いので文書に残しておきましょう。強制力はありませんが、それを基に裁判を起こして判決を得られれば、そこで強制執行をすることができます。

 

ご相談内容 : 株式会社設立(個人事業主Aさん)

個人事業をしていたAさんは、会社法の改正を知り、資本金10万円で株式会社を設立しようと思い立ちました。

回答

○会社設立の方法

会社設立に必要な資金(資本金)は、基本的には株式の発行によって調達します。
このとき、発行した株式を誰が引受けるのか(出資者)によって、設立の方法は「発起設立」と「募集設立」の2つに分かれます。
どちらの方法で設立するかは自由に決めることができますが、規模の小さい会社では「発起設立」が一般的です。

○会社設立の手順

ここでは一般的な発起設立の手順について説明します。

①発起人の選出と発起人会
発起人は定款の作成など、会社設立に関する全ての事務手続き、および、その処理を担当するとともに、会社の運営にも深く関わる重要な人です。
発起人は1人以上いればよく、資格制限もなく、未成年者でも満15歳以上であればなることが可能です。
発起人が複数いる場合は、「発起人会」を開催し、そこで社名、事業目的などといった会社設立に関する基本事項の検討・相談を行います。
そこで話し合った事項については「発起人会議事録」を作成しておきます。
なお、発起人が1人の場合は、会社設立に関する事項については「発起人決定書」を作成しておきます。

②類似商号の調査
会社法では、同一市区町村内に同じ商号が既に登記されていても、同一の住所でなければ登記可能となっています。
そういった意味で類似商号の調査は不要と思われますが、会社法の第8条や不正競争防止法によって、故意に同じもしくは類似の商号を使用した場合、損害賠償請求の訴訟を起こされる場合がありますので、事実上は調査の必要性があります。

③定款を作成する
定款は、会社の運営方法や組織などを定めた規則で、「会社の憲法」ともいわれています。
①で検討した内容を基に定款を作成します。
定款には「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」があり、特に絶対的記載事項に記載漏れがあると認証されないので注意が必要です。
絶対的記載事項
・目的(事業内容)
・商号(社名)
・本店の所在地
・設立に際して出資される財産の価額または最低額
・発起人の氏名または名称および住所

④定款の認証を受ける
定款の認証は、全ての発起人が公証役場に出向いて手続きをします。
欠席する発起人がいる場合、その発起人の委任状があれば、第三者が代理人として加わることができます。

⑤取締役会を開く
取締役会を設置している会社の場合は、取締役会を代表取締役の選任等を決議します。

⑥設立登記申請をする
登記申請は原則的には代表取締役が、本店(本社)の所在地を管轄する登記所に出向いて行います。
登記申請は、発起設立の場合では取締役・監査役の株式払い込みの調査が終わってから2週間以内にしなければなりません。
申請が受理されると、会社設立となります。(申請日が会社設立日となります)

 

ご相談内容 : 著作権(IT会社社長Bさん)

Bさんの会社で新たなプログラムを開発しました。 今後このプログラムの販売をする上で、どのような権利保護をしていけばよいでしょうか。

回答

WTOなどの国際ルールにより、著作権は著作物の創作等と同時に「自動的」に発生するものとされており、著作権を得るための登録制度といったものは禁止されています。
しかし、昭和60年に著作権法が改正されプログラムの法的保護が明確にされるとともに、これを受けて、昭和61年に「プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律」が制定され、プログラムの登録(創作年月日・第一発行日・実名・著作権の移転)が実施されることとなりました。
プログラムを登録することで、著作権者に無断で使用した者に対して無断使用の禁止を求めたり、模倣された場合にどちらが先に開発したのかが容易に立証できるというメリットがあります。
また、契約書を交わすことによって、そのプログラムの独占的な使用を許諾するのか、プログラムの複製や変更は認めるのか、使用期間はどれくらいにするのか、使用料や譲渡料はいくらにするのかといった内容を明確に取り決めておく必要があります。